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『FFXIII』サントラ明日27日発売! コンポーザーの浜渦正志氏にインタビュー

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 スクウェア・エニックスは、CD「ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック」を明日1月27日に発売する。

 本作はPS3用RPG『ファイナルファンタジーXIII(FFXIII)』の音楽を収録したサウンドトラック。菅原紗由理さんが歌う「君がいるから」と「Eternal Love」をはじめ、ゲーム内の楽曲を収録しているファン必携のアイテムだ。ディスク4枚組で3,990円(税込)。


ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック
通常盤のスリーブケースとデジパック。


 さらに、初回生産限定盤も5,250円(税込)で同時発売になる。こちらは特殊パッケージのSPECIAL BOX CASE仕様。ゲーム・シナリオライターである鳥山求氏の書き下ろしで、ゲームと同じ声優陣による新規録り下ろしのドラマCD「FINAL FANTASY XIII Episode Zero -Promise- Story01 -ENCOUNTER-」が封入される。


ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック
初回生産限定盤。通常盤の4枚に対して、限定盤は特典ドラマCD付きの5枚組となる。


 今回はこのサウンドトラックの発売にあわせて、『FFXIII』のコンポーザーである浜渦正志氏にインタビューを行った。心に染み入るハイクオリティな楽曲群がいかにして生まれたのか、その経緯を探っていく。

 また、1月29日発売の電撃プレイステーション Vol.465の『FFXIII』特集では、ここでは触れていない話題について浜渦氏にうかがっている。そちらも楽しみにしていてほしい。


ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック
浜渦正志氏
代表作は『サガ フロンティア2』『FFX』など多数。『FFXIII』ではすべての楽曲と、
テーマソングである「君がいるから」の作曲も担当。



■『FFXIII』の作曲を担当することになってうれしかった反面、大きなプレッシャーも


――これまで、『サガ フロンティア2』などの作品を手がけてこられた浜渦さんですが、作曲家になられた経緯を教えてください。

浜渦正志氏(以下、敬称略):もともと『FF』や『ドラゴンクエスト』といったRPGが好きなんですね。ゲームを遊びながら「自分でもゲームの音楽を作りたい」と思って、それがそのまま作曲家への進路にひもづいていると思います。元から音楽自体好きだったのですが、将来的な仕事にしようと思ったのは、やはり好きなゲーム音楽にかかわりたかったからです。苦労するだろうとは想像していましたが、仕事を始めた頃はたいへんなことばかりでしたね。

――『FF』シリーズのファンということですが、一番お好きな作品は?

浜渦:世界観に最も没入したという意味で、やっぱり今回の『FFXIII』ですかね。単純にユーザーとして遊んでいた頃の作品では『FFIII』がお気に入りです。あのラストダンジョンのシビアさや、オーディンの斬鉄剣の爽快感が忘れられません(笑)。

――『FFXIII』で作曲を担当されたということは、昔からの夢を叶えたということになりますね。

浜渦:そうですね。ただ、ここまで来るのにはやっぱり苦労しましたね。僕が現役で遊んでいたいわゆるファミコンなどは、同時発音が3音までの内蔵音源でしたが、僕が入社した頃からはストリーミング(音楽データを読み込みながら再生する方式)が主流になってきて、CDと変わらないクオリティが求められていました。

 しっかりと音楽のことを勉強しないとついていけない風潮でしたね。私は打ち込みができれば音楽が作れると思っていたくらいだったので……。ゲーム音楽業界を正直あなどっていました(笑)。

――たしかに、昔と現在では音楽の形も変わりました。

浜渦:でも音楽の本質的な部分は、技術の向上で変わるものではないと思います。すぎやまこういちさんが手がけた『ドラゴンクエスト』の曲やバッハの音楽に、僕はとても感銘を受けたのですが、同時発音数は少なくても、豊かな和声で広がりのある音楽を作り出していますよね。

 根本的な部分がしっかりしていれば深みのある音楽を聴かせられるのだと、これらの音楽を聴いていて強く感じました。この先も、本質的な音楽のよさを追求していくことは、気を抜かずにやらなくてはいけないと思っています。

――では、『FFXIII』の作曲を担当することが決まったときのお気持ちはいかがでしたか?

浜渦:あこがれていたタイトルだけあって、やっぱりうれしかったですね。でも、当然大きなプレッシャーもありました。先人の方が築き上げてきた、『FF』というシリーズにふさわしい音楽を作らなければいけませんでしたし、従来のファンを納得させるものにもしなければならないですから。

 これまでも、何らかのタイトルの続編やシリーズから派生した作品など、誰かが作り上げてきた作品にあとからかかわるということが多かったのですが、今回はPS3初の『FF』で、ナンバリングタイトルですし、プレッシャーもひと際大きかったです。

――指名はどなたから?

浜渦:鳥山さん(ディレクターの鳥山求氏)と、あと北瀬さん(プロデューサーの北瀬佳範氏)からの指名だと聞いています。過去に『ファイナルファンタジーX』や『ダージュ オブ ケルベロス -FFVII-』でのオケ楽曲を覚えていて、それがきっかけで今回声をかけていただいたようです。


ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック



■BGMに歌を入れたり、さまざまなバンド編成を使ったりと、サウンドの型を限定せず


――サウンドトラックの曲目を見ると各キャラクターのテーマ曲があるようですが、これらはキャラクターの設定やイラストからイメージを膨らませて作曲されたのでしょうか?

浜渦:じつは、「必ずしもこのキャラクターだからこういう曲にしよう」と考えて作ってはいなんですね。唯一はっきりそうしたのは、「スノウのテーマ」くらいでしょうか。例えば「ファングのテーマ」は疾走感のあるメロディになっているのですが、これは最初からファングのテーマとして作ったわけではありませんでした。

 どこかの場面で使うだろうなあと思って作曲したものが、たまたまゲーム中に反映されたときにファングが活躍するシーンだったんです。それが次第にファングのテーマとして定着していった感じなんです。「ヴァニラのテーマ」に関しても、元々ヴァニラのイベントシーン用に作った曲が、そのままテーマ曲になりました。

――『FFXIII』は3年という長いスパンで制作されましたが、作曲作業が本格化したのはいつ頃ですか?

浜渦:体験版あたりですから、2008年の9月頃でしょうか。その時期からはスケジュールも明確に決まり、バンバン活動していきました。何より、チーム全体が「締め切りまでに仕上げる!」という意識に満ちていましたので、僕も気を引き締めなければいけませんでした。

――主題歌もそのあたりから?

浜渦:いえ、主題歌は2009年の6月か7月あたりで、けっこう急な制作でした。もうその頃は開発も末期で、音楽のほうはエンディングまわりやオープニングデモなど重要なパートを手掛けていて、正直かなり余裕がなかったのですが(笑)。1週間くらいかけて制作した曲を先方にお渡ししました。あとは『FFXIII』の世界観や歌のキーワードをお伝えしたうえで菅原紗由理さん側にアレンジをお任せしたんです。

――歌といえば、ノーチラスで流れるチョコボのテーマソングがプレイしていて印象に残りますね。

浜渦:あれは、じつは『チョコボの不思議なダンジョン』で使われた音楽のリアレンジ版なんですよ。『チョコボの不思議なダンジョン』は僕がスクウェアに入社して初めて全曲を担当した作品でして、思い出深い曲です。

――歌っているのはどなたですか?

浜渦:あれは、僕の知り合いばかりでフランシス マヤさん、Mina、そして僕の妻です。あの歌自体けっこう試験的に入れてみたものなのですが、結果的にいい形に収まってよかったです。

――今回の作曲で、浜渦さんが挑戦された部分などは?

浜渦:そうですね……。BGMに歌を入れたことや、さまざまなバンド編成を使ってサウンドの型を限定しなかったことでしょうか。1つのゲーム中でこれらが統一できるかというのは、ちょっとドキドキしていましたが。

――ハードがPS3になり、ディスクもブルーレイになりましたが、そういったハード面の進歩は音楽作りに影響を与えましたか?

浜渦:PS2の頃から、ほぼすべての音楽がストリーミング可能で、CDと変わらないクオリティでしたし、ハードがPS3になっても余裕がさらに増しただけで、とくに制作で変わったことはないですね。


ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック



■サントラは曲の並び順にもこだわり、長時間聴いていても飽きない構成に


――『FFXIII』の音楽制作を終えられて、やり残されたことなどはありますか?

浜渦:けっこうほかの作品では、制作後に思い返してみてやり残したことがあるものなのですが、『FFXIII』についてはほぼないですね。人に聞かれてもパッと思い浮かばないのですし。そのことを考えると今回はやりきったという気持ちが強いです。

――『FFXIII』で最も思い入れのある曲は?

浜渦:それ、一番悩む質問なんですよね(笑)。1つは先ほども言ったお蔵入りしかけた曲(※1月29日発売の本誌Vol.465の記事参照)です。あれが最終的に一番いいシーンで採用されたのはかなりうれしかったですね。

 あとは、歌が流れる曲全般ですね。歌が入るとどうなるのかという部分は自分も未体験のゾーンでしたが、人間の声が入るというのは、ある意味ものすごい楽器が1つ増えるということですから。今回の作曲を通じて、新たなアプローチの形を発見できましたね。

――逆に苦労された曲は?

浜渦:スランプに陥るほど苦労した曲はありませんね。その理由は、シナリオも世界観も内容がとても充実して幅広く、インスピレーションが沸きやすかったからだと思います。イベントシーンに使う音楽なども、見せ場のシーンでどのように盛り上げようとか、この場面にあった楽器はコレだろうなどと試行錯誤するのはおもしろいです。

 途中まで制作されたイベントを見せてもらいながら作曲するのですが、僕自身そうやってキャラの動きを見ながらだとインスピレーションが沸くタイプなので。

――さて、サウンドクリエイターを目指す人に、浜渦さんから何かアドバイスをいただけますか?

浜渦:現実的なことを言うと、作曲家というのは現在はかなり門戸が狭いです。とくにゲームの音楽という専門分野における募集はほとんどないかもしれません。でも、どんな音楽業界だからといって、やたら迎合する音楽作りはよくないと思いますね。自分だけのスタンスを持って制作にはげむことが大切なのかなと。

 あとは、作曲家を目指す人はぜひ目標を高く持ってほしいです。初めから「これは自分にはできない」と限界を作らず、高い目標を設定してそこを目指せば、自分に足りないものも見えてくるはずです。そこを補っていくことで、着実にサウンドクリエイターとしてステップアップできますよ。

――ちなみに、曲作りに行き詰まったときの解消方法は?

浜渦:いろいろな曲を並行して制作することでしょうか。ある曲に行き詰まったらほかの曲を作るようにすると、常に頭が新鮮な状態になって、作業が進むことが多いです。もちろん、一度さっぱり仕事から離れてしまうこともあります。

――最後に読者へのメッセージをお願いします。

浜渦:『FFXIII』で流れる曲はどれも制作者として思い入れが深いものばかりです。今回のサウンドトラックは、収録されている曲の並び順などもこだわってまして、4枚組のボリュームですが長時間聴いていても飽きない構成になっていると思います。ぜひ聴いてみてください。

──ありがとうございました。


 なお、本作の公式サイトでは浜渦氏の曲に対するコメントや、スペシャルメッセージムービーを公開中だ。ぜひそちらもチェックしてみよう。


「ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック 」
■品番:通常盤 SQEX10183-86/初回生産限定盤 SQEX10178-82
■発売日:2010年1月27日
■価格:通常盤 3,990円(税込)/初回生産限定盤 5,250円(税込)

■関連サイト
・「ファイナルファンタジーXIII オリジナル・サウンドトラック 」公式サイト

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